社会

八五歳からの日記 コロナ巣ごもりの記

八五歳からの日記 コロナ巣ごもりの記

著者:髙野繁男

発行年月:2024年4月

2019(令和元)年6月「八五歳からの日記」として書き始められたが、新型コロナ感染症パンデミックの襲来。「巣ごもり」の日々を過ごすなか、日記の矛先は日本の政治・社会問題を見つめ直す方向に様変わりした。「後期高齢者」の苦言に満ちたエッセイ集。

高度経済成長と社会教育

高度経済成長と社会教育

編者:辻󠄀浩

発行年月:2024年1月

戦間期・占領期に次ぐ近代日本の大きな転換期「高度経済成長期」(およそ1955~1975年)。大量消費社会で発生した諸問題、その中で諸地域で展開された社会教育の実践・理論・政策を追い、「権利としての社会教育」が追求された意味を再確認、これからの日本社会の課題解決のために新しい理論的・実践的提起を目指す。11人の研究者による共同研究。

■テーマ・論点■
1 高度経済成長期における住民の自己教育と、その政策面での展開はどのようなものだったか。
2 大量消費社会のただ中、社会教育の実践・理論はいかに当面する諸矛盾に取り組んだか。
3 「権利としての社会教育」が唱えられ追求された意味を再確認する。
4 日本の高度経済成長と社会教育のかかわりを歴史的に整理し、新興諸国の経済発展と人権保障のあり方を考える。

制度はいかに進化するか

制度はいかに進化するか

著者:Kathleen Thelen(キャスリーン・セーレン)/監訳者:石原俊時・横山悦生

発行年月:2022年3月

資本主義・民主主義国家の政治経済的「制度(institutions)」は、伝統的手工業者や現代的産業・企業経営者が生産力の柱として編成する「技能形成(skill formation)」システムと、いかに重要な関係を持っているか。 ドイツ・イギリス・日本・アメリカ4国の労働政策や労働運動・企業内職業訓練の実際を歴史的に比較検討、各国間の「差異」を鮮明化し、「技能」の保持・継承がいかになされたかを追究。停滞・休止・停止そして漸進・革新は、政治経済的「制度」といかなる相関関係を持つのか、多角的・重層的に分析する。 現代アメリカを代表する政治学者(現在、MIT教授)による主著。難解な原著の待望の翻訳。適宜原語を並記し、著者の意図を精確に汲み取ることに意を尽くしたていねいな翻訳。詳細な参考文献、各種索引=引用文献著者・企業・団体/組織などは研究に至便。

少年行刑の歴史からみる知的障害者福祉の萌芽

少年行刑の歴史からみる知的障害者福祉の萌芽

著者:末松惠

発行年月:2022年3月

(「序章」より)
 近年、社会福祉専門職の職域は、従来の福祉分野にとどまらず、労働・教育・司法・保健医療等へと拡大されつつある。そのなかでもとりわけ、福祉分野と司法分野との連携・協同という古くて新しい課題が注目され、更生保護施策における新たな支援枠組みに関する検討がすすめられている。「古くて新しい」というのは、非行や犯罪に関わった人々の社会復帰に向けた援助は明治大正期にまで溯るのであり、これまでに、出獄人保護事業や感化事業など司法領域における福祉的な対応が模索されてきたということである。また、近代初頭の少年行刑・感化矯正のもとでなされた知的障害者処遇には、処罰にとどまらない保護的・教育的な視点がみられ、ここに知的障害者福祉の萌芽的状況をとらえることができる。しかしながら、これまでの知的障害者福祉研究では、当時の処遇に関する検討が十分になされたとはいいきれない。福祉と司法の連携・協同が模索される現在、福祉的な視点と司法的な視点とが未分化であった近代初頭の知的障害者処遇からは、いかなる示唆が得られるであろうか。本書は、こうした問題意識に依拠しつつ、近代初頭の少年監獄における知的障害者処遇の形成過程を解明することによって、知的障害者福祉研究の進展に貢献することを目的としている。

 少年監獄における知的障害者処遇を解明するにあたり、本研究では浦和監獄川越分監を取り上げる。その理由は、川越分監では、「低能者研究」「低能者特別教授」等、知的障害者に対する処遇がいちはやく実施され、ある一定の組織だったアプローチが展開されていたためである。このことは、川越分監が我が国最初の幼年者対象の監獄として設置され、監獄改良の主眼であった懲治人教育が実験的におしすすめられていたことと深く関連している。またそうした位置づけゆえに、川越分監は「先進川越」として、全国の他の少年監のモデルともされていた。これらのことから、浦和監獄川越分監が知的障害者処遇の嚆矢として、それ以降の少年行刑にも一定の影響をもたらしたことが予想される。そうした意味から、川越分監の諸実践に焦点をあて、知的障害者処遇の起点とその具体的なありようを把握していくことは知的障害者福祉の歴史研究において不可欠な作業であると考える。

私の記録、家族の記憶 ケアリーヴァーと社会的養護のこれから

私の記録、家族の記憶 ケアリーヴァーと社会的養護のこれから

著者: 阿久津 美紀

発行年月:2021年8月

◆なぜ“記録”が「社会的養護」にとって重要なキー概念なのか?
史資料の記録・保存・利活用を研究するアーカイブズ学の知見で見えてくる。“記録”にアクセスする側(当事者)/“記録”作成・管理に携わる側、双方にとって「公正・公平」な環境をいかに構築するか、施策はどうあるべきか……。

◆ケアリーヴァー care leaver のための“記録 records”への安定したアクセスを目指して、現状の課題を明らかにし、将来へ向けての提言を示す。社会福祉・社会事業分野とアーカイブズ学との有機的連繋、初の成果。

●世界(イギリス、オーストラリア、韓国)は、日本は? 考える第一歩に本書をまず手にとってみてください。社会事業・福祉、児童養護等に関わる組織・団体・施設・行政関係から研究者まで、じわじわと読者が広がっています。

国際協力への扉

国際協力への扉

著者:冨岡 丈朗(とみおか・たけあき)

発行年月:2021年4月

国際協力に携わって35年、アジア、アフリカ、中南米での豊富な経験を「すべての人へ」!
自身の経験を具体的に語り、協力活動の基礎情報・知識をテキスト形式にまとめた実践・準備編からなる。
SDGsなど、若い人たちだけでなくなった現代の教養=国際協力(開発協力)への好入門書。

近代社会教育における権田保之助研究 娯楽論を中心として

近代社会教育における権田保之助研究 娯楽論を中心として

著者:坂内 夏子

発行年月:2019年8月

「民衆娯楽研究の第一人者」権田保之助 を「社会教育」の観点から読み直す。

大原社会問題研究所所員、文部省・厚生省専門委員嘱託として、関東大震災を挟み大正から昭和戦中期、数々の娯楽調査・社会調査(家計、労働、農村、学生、映画、月島・浅草等々)に関わり、今日に残る実証的研究・記録を残した。

「娯楽は本来「民衆主体」の生活創造としてある」
「「民衆娯楽」は権力が政策として方向付けるものではない」
「(震災からの)復興のバロメーターを民衆の娯楽要求に見る」

権田保之助の“仕事”への好案内。再読のために、初めて読むときに。多岐にわたる権田の著作群から、できるかぎり自身の用語・表現で語らせる形で構成し、権田の意図・真意を丁寧に辿った。

絆を伝えるソーシャルワーク入門 社会福祉・児童家庭福祉・相談援助のサブテキスト(改訂版)

絆を伝えるソーシャルワーク入門 社会福祉・児童家庭福祉・相談援助のサブテキスト(改訂版)

著者:宮武 正明

発行年月:2018年4月・改訂版、2021年2月・三訂版

「本書は、保育・福祉・教育を学ぶ学生が実際に現場に立ったときに役立つように、対人社会サービス、社会福祉援助の意義と方法を、広い範囲に渡って、実際の保育や福祉の現場の記録および事例をもとにわかりやすくまとめたものである。」(本書のねらい より)

対人社会サービス・社会福祉援助の実践活動に役立つ、いま社会福祉を学ぶ「最初の一歩」に最適。“事例(生きた教材)”から学び社会福祉の理解と実践にスムーズに活かせる最良のテキスト。福祉の現場でさまざまな課題に取り組んできた著者が自らの豊かな体験を次世代につなぐ実践の書。

〈実録〉幕末・明治・大正の八十年(全5巻)

〈実録〉幕末・明治・大正の八十年(全5巻)

原著者:東洋文化協会

発行年月:2017年11月

その時、その場に居合わせたような圧倒的臨場感!
160年前・黒船来航から維新を経て明治・大正までの80年間を迫真・躍動の稀覯写真で一気に鳥瞰!
*信頼おける秘蔵・稀覯写真 総約3200点、1100人超の人物写真 モノクロ約1200頁、カラー43頁
*〈迫力写真満載〉大型本=B4判(週刊誌の倍)
幕末志士、明治・大正の名士・著名人、民衆の顔・おもかげ、歴史に残る名場面・重要事件から世態風俗まで、現代日本人が不変の共感を抱き多くを学ぶ魅力に満ちた時代が、すぐそこに甦る!