近現代
アジア学叢書 367巻 満蒙を正視して/鮮満の旅
発行年月:2023年9月
「満蒙と朝鮮」は教育界が教育(学生と教員自身)のために「知るべき、辿るべき、理解すべき地」として、各地から視察隊を組織して訪れたところだった。満洲事変勃発から満洲国建国をはさみ日米開戦直前の10年で実施された団体旅誌2編を収める。
[復刻原本:(満蒙を正視して〔本文124頁・口絵写真2葉・折込大地図:満洲鉄道概見図〕)大連中等学校満蒙研究会、1931・昭和6年12月刊/(鮮満の旅〔本文127頁・口絵写真6葉〕)大場運次、1941・昭和16年7月刊]
アジア学叢書 366巻 満洲牧場記
発行年月:2023年9月
著者は(奥付略歴より)1914・大正3年東京都生れ。昭和10年東京農業大学卒、13年鐘紡入社(農務課)、興安牧場、啓明農業の他数ヶ所の農牧場創設の企画をなしその後開戦中の北支中支の農村文化事業の企画創設に当る。昭和17年10月より鐘紡江北公司農務部調査課長。満洲における大牧場の生態(立案から運営まで)を具体的に記録した稀な書。馬の興安牧場、羊の王府牧場の昭和15年の実情を、物語風に「郷土学的な匂いと自然科学的な観察を織り込み」語り臨場感あふれる。写真30点弱収載
[復刻原本:奉天大阪屋号書店、1943・昭和18年刊]
アジア学叢書 365巻 建設者の息吹
発行年月:2023年9月
著者(1903~1963)は満洲国財政部文書科長・人事科長、民生部教育司長を勤めた。「われわれは、何を、どう考えるか。いうまでもなく、この現代を、この環境を、すなわち、満洲建国という、日本国体―超民族的な、人類生活の基本的再考方式―の顕現であり、大陸的発展である、歴史的大事業のまっただなかにおいて、生き、考えるのである。(…)いくらかでもわれらの歴史的大建設、新時代的生きかたについてさらに考えていただくことにでもなれば、まことに、しあわせである(序より)」。一国民・一民衆の生活日記をつづる形で、社会・時代の空気を受け止め、率直な心情を吐露する(1940年冬に新聞連載の随筆)。全98章。
[復刻原本:新京日日新聞社出版部、1940・昭和15年刊。口絵著者肖像写真]
アジア学叢書 364巻 建国前後
発行年月:2023年9月
著者(1881~1945)は日露戦争で満洲軍副官、第一次大戦後の平和条約実施委員などを経て、1928年関東軍参謀長となり満洲事変に対応、1932年中将、1940・昭和15年~終戦まで満洲国協和会中央本部長、終戦後シベリア抑留中に死去。「この一書によって明治二十七八年、かの日清役に初まる東亜黎明の偉大なる歴史的動き、そして大東亜戦下に厳として私達の目の前に躍動する大東亜の軸心満洲帝国の存在意義を、少しでも酌み摂って貰えたならば私の本懐とするところである(はしがきより)」。日清・日露戦争の従軍経験から満洲国の国策運動の中心的組織・協和会の活動と、時代の空気を伝える証言録。
[復刻原本:満洲新聞社、1944・昭和19年刊]
アジア学叢書 363巻 満洲事変秘史
発行年月:2023年9月
著者(1871~1962)は東京高等師範卒、福島・山形の女子師範校長など教育界で活躍、また旅順博物館長を勤めた。事変の経過を国内外の報道や法令を追いながら関係重要人物の紹介を豊富に盛り込む。自身が肌身で取得した異色の〈総合的事変史〉。「40年間師範教育に一貫従事し、内20年間支那欧米を正視巡遊し、刻下の世相と世界の大勢とに鑑み満洲事変に於ける史実を叙して、我が日本帝国は素より、満洲帝国、中華民国を主とせる世界列国将来の為に、錬想熱血を注ぎたる」大冊(跋より)。
[復刻原本:満洲文化協会、1934・昭和9年刊。口絵写真5葉(満洲国皇帝・皇后陛下、粛忠親王、著者ほか)、写真・資料図版多数収載]
アジア学叢書 362巻 鮮満を視る
発行年月:2022年8月
〈教育〉関係者「視察」団は、何を見て、得て持ち帰ったのか、その目的は?小冊だが看過できない稀少資料をまとめる。〔収録資料3点〕
原本①:東京市教員会編『鮮満旅行記』標準教科書出版協会、1935・昭和10年刊(本文219頁、写真・図67点)
原本②:東京府青年指導者視察団編『鮮満北支瞥見記』東京府青年指導者視察団、1939・昭和14年刊(本文52頁)
原本③:福岡県教育会鮮満視察団編『福岡県鮮満教育視察記録』福岡県教育会鮮満視察団、1939・昭和14年刊(本文36頁)
アジア学叢書 361巻 朝鮮の経済
発行年月:2022年8月
統治後朝鮮の急速に膨張する商業・金融、主産業の発達の様を詳説。各種統計・数値データ多載。〔収録資料2点〕
原本①:鮮満研究協会編『朝鮮 各都邑の経済』鮮満研究協会、1926・大正15年刊(本文459頁)
原本②:京城商工会議所編『朝鮮産業経済便覧 昭和十四年版』京城商工会議所、1939・昭和14年刊(本文80頁)
アジア学叢書 360巻 鮮満地方
発行年月:2022年8月
国策団体・鮮満協会理事、大手旅行社大連支部代表等、朝鮮の実情を知るプロが現地人とそこに生きる日本人の姿を伝える。〔収録資料3点〕
原本①:大喜多筆一編著『新朝鮮』鮮満協会、1922・大正11年刊[使用底本は昭和3年三版]、本文130頁、写真48点。
原本②:平野博三著『鮮満の車窓から』大阪屋号書店、大正13年刊、本文293頁、写真15点、「慶州及附近略図」折込。
原本③:朝鮮総督府鉄道局編『南鮮地方 昭和十四年版』朝鮮総督府鉄道局、昭和14年刊、本文22頁、写真18点。
アジア学叢書 359巻 朝鮮満洲 支那のぞ記
発行年月:2022年8月
10数年ぶり再訪した初任の地・朝鮮を経て中国へ。新聞記者にして俳人・陶芸評論家の自由闊達な筆致による旅日記。
原本:東京刊行社・大阪屋号書店、1922・大正11年刊(使用底本は大正11年再版)
アジア学叢書 358巻 簡易 満洲案内記 昭和十三年版
発行年月:2022年4月
原本:南満洲鉄道、1938・昭和13年刊。
満洲全体に分布する鉄道に沿い、旅行上に必要な事項を盛りながら、観光地・景勝地・都市を見学する順路を記載し、実用的に構成。小型ながら簡明的確な記述。15点の折込地図類は[別冊]としてまとめ、閲読しやすいように復刻した。