シリーズ福祉に生きる66 菊田澄江

シリーズ福祉に生きる(企画編集:津曲裕次・一番ヶ瀬康子)

著者:遠藤久江

発行年月:2014年5月(大空社刊)

価格:2,200円(本体2,000円+税10%)

ISBN:978-4-283-00600-3

体裁:B6判・166頁・並製・カバー装

シリーズ福祉に生きる66 菊田澄江

(きくた・すみえ 1906・明治39~1995・平成7年) 戦争の犠牲者となった子どもを抱えた母親たち。困窮を極めた母と子のために必要なもの、それは、働くための職業技術を教え、仕事も出来て、子どもの世話も出来る、授産所と保育所を創り上げなければ。さまざまな困難を克服しながら、持ち前の熱意と行動力で、それらを創り上げていった。

母と子が安心して生活でき、希望をもって、子どもを育てることができるように。「母と子の幸せ」が到来する社会を目指して。

菊田澄江 栃木県足利に牧師・森田金之助の次女として生まれ、大阪で育つ。ウヰルミナ女学校(現・大阪女学院)、大阪府女子専門学校(現・大阪公立大学)英文科卒業後、ウヰルミナ女学校英語教師となる。戦中に夫を亡くし、三児を育てながら、銀座に進駐軍向けのナオミ洋装店を開く。1954年、東京・世田谷に、キリスト教精神にもとづく、職業訓練のための母子寮ナオミホーム、ナオミ保育園を設立。全国初の病児保育や、産休明け乳児保育・0歳児保育等にも先駆的に取り組み、生涯を母子家庭の自立・子育て支援のために捧げた。

(目次より)
第一章 キリスト者の系譜
父、森田金之助と足利教会/母と友愛幼稚園/子どもが語る父と母

第二章 菊田澄江の生い立ち
幼少期/成人期/結婚生活

第三章 敗戦の中から
夫の死/進駐軍のお土産屋さん/ナオミ洋装店の設立/協力者たち/ナオミ洋装店の様子/はじめての渡米

第四章 戦後の母たち・子どもたち
ナオミホームの構想/ナオミの会と尾山台教会/財団法人の設立/募金活動と財政活動

第五章 ナオミホームとナオミ保育園
ナオミホームの建設への道/ナオミホームのスタート/ナオミホームの規則/ホームは火の車/ナオミ保育園の開園/乳児保育はじまる

第六章 女性の自立を支える
ナオミ保育園父母の会/学びあう父母/ナオミバザー/みんなの涙/病児保育の開始/バンビのあゆみ/社会的活動/ナオミ保育園労働組合

第七章 新しい皮袋
改築への取り組み/志を成し遂げて

引用・参考文献
年譜及びナオミの会年表

【著者紹介】
(えんどう・ひさえ)日本社会事業大学卒、明治学院大学大学院社会学研究科修了。沖縄キリスト教短期大学、福島県立会津短期大学(現・会津大学短期大学部)勤務、東海大学教授、聖隷クリストファー大学社会福祉学部長、東京YWCA専門学校長を経て、社会福祉法人二葉保育園理事長、特定非営利活動法人 ウイメンズハウス花みずき代表、特定非営利活動法人東京YWCAヒューマンサービスサポートセンター代表、公益財団法人愛恵福祉支援財団理事、社会福祉法人ナオミの会理事他(刊行当時)。共著に『講座 私たちの暮らしと社会福祉 第2巻 子どもの生活と福祉』(中央法規出版)、『社会福祉学研究の50年:日本社会福祉学会のあゆみ』(ミネルヴァ書房)、『近世日本マビキ慣行史料集成』(刀水書房)等がある。

【編者紹介】
(つまがり・ゆうじ)長崎純心大学大学院教授、高知女子大学名誉教授、筑波大学名誉教授。専攻は知的障害者施設史。
(いちばんがせ・やすこ)日本女子大学名誉教授。専攻は高齢者・児童・障害者福祉等、社会福祉全般。

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