シリーズ福祉に生きる61 永井隆

シリーズ福祉に生きる(企画編集:津曲裕次・一番ヶ瀬康子)

著者:山田幸子

発行年月:2011年8月(大空社刊)

価格:2,200円(本体2,000円+税10%)

ISBN:978-4-283-00594-5

体裁:B6判・192頁・並製・カバー装

シリーズ福祉に生きる61 永井隆

(ながい・たかし 1908・明治41~1951・昭和26年) 医師であり自身も長崎原爆の被爆者でありながら救護活動を指揮、重症闘病中の自己を研究・記録。その不屈の精神力、壮絶・凄烈な生涯。チェルノブイリ原発事故の時、国内外の医師たちの心を動かし影響を与え、東日本大震災に駆けつけている人たちの支えともなった「世界の永井隆」その精神は今も世界の多くの人たちの心に生きている。

永井隆 放射線研究者・医師として昭和20年8月9日、長崎で被爆。負傷しながらも救護活動を指揮、救護記録はのちの被爆研究の重要な証拠資料となった。また、自身の原爆症を克明に観察・記録した。枢機卿、ヘレン・ケラー、昭和天皇も会いにみえた。病床で短時日に多数の著作を発表、『長崎の鐘』は映画化・歌謡曲にもなり、『この子を残して』は多国語に翻訳される。長崎市と生い立ちの地・島根県雲南市それぞれに永井隆記念館があり、雲南市には永井隆平和賞(作文)が設けられている。「如己愛人」(己の如く人を愛する)に徹して生きた。

(目次より)
第一章 生い立ち―島根時代
1 家族
2 生い立ち

第二章 長崎医科大学に学ぶ
1 長崎医科大学に進学した理由
2 医学生として

第三章 一生の岐路
1 「放射線科」を専攻
2 物理的療法科の助手となって
3 野望
4 第一回目の従軍
5 「すりこぎ人生」の決意
6 第二回目の従軍

第四章 永井隆の福祉活動
1 永井隆の福祉活動の根拠
2 聖ヴィンセンシオ・ア・パウロ会入会
3 SVPとは
4 SVP創設者フレデリック・オザナム
5 日本におけるSVP創設
6 「長崎カトリック教報」とSVP
7 永井隆のSVP活動
  SVP入会から中国出征前まで7
  中日戦争従軍中の活動

第五章 長崎に原子爆弾投下される
1 予感
2 原子爆弾の威力と惨事
3 原子爆弾救護報告

第六章 再建
1 父子家庭
2 戦災・原爆孤児の問題
3 孤児園創設に協力
4 「如己愛人」のすすめ

第七章 永井隆の死生観
1 摂理体験
2 辞世の句
3 墓
4 臨終
5 永井隆の願い

永井隆の作品
 童話
 漫画「コウチャン」
 戦線絵たより

年譜
永井隆参加のSVP活動一覧
著作一覧
永井隆「長崎カトリック教報」寄稿記事リスト
引用・参考文献

【著者紹介】
(やまだ・さちこ)長崎県生まれ。恵の丘長崎原爆ホームなど福祉施設で9年間勤務。東洋大学大学院社会学研究科、長崎純心大学大学院人間文化研究科修了。長崎純心大学人文学部勤務。純心聖母会会員(執筆当時。2021年より学校法人純心女子学園理事長)。編著書に『生命の道しるべ:江角ヤス講話集』(2008年、長崎純心聖母会)、『シリーズ福祉に生きる55 江角ヤス』(2008年、大空社)がある。

【編者紹介】
(つまがり・ゆうじ)長崎純心大学大学院教授、高知女子大学名誉教授、筑波大学名誉教授。専攻は知的障害者施設史。
(いちばんがせ・やすこ)日本女子大学名誉教授。専攻は高齢者・児童・障害者福祉等、社会福祉全般。

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