第1期
第3巻 ドストエフスキー集

2004年4月刊行

明治期にドストエフスキーは深刻な文学として読まれた。
森鴎外は『罪と罰』を読んだ後、夜眠ろうとするとうなされた。
内田魯庵もしばらくいやな気持を持ち続けた。
この作家は日本人の中で如何なる変容を遂げて、「魂のリアリズム」文学として君臨し始めたのだろうか。
ここには心の糧としての文学が消費としての文学へと変貌する様を、
裏側から照らす歴史のうねりが読み取れる。
本巻は、このうねりを明らかにするために、
明治27年の魯庵訳「損辱」から大正15年までの雑誌掲載の翻訳を収めた。

【収録作品】

タイトル 訳者 掲載誌 頁数
明治25年5月 ドストエフスキーの罪書 松原二十三階堂 国会(27日) 4
明治27年5月 損辱1 内田魯庵 国民之友 3
明治27年6月 損辱2 内田魯庵 国民之友 4
明治27年6月 損辱3 内田魯庵 国民之友 5
明治27年6月 損辱4 内田魯庵 国民之友 4
明治27年7月 損辱5 内田魯庵 国民之友 4
明治27年9月 損辱6 内田魯庵 国民之友 5
明治27年9月 損辱7 内田魯庵 国民之友 5
明治27年9月 損辱8 内田魯庵 国民之友 4
明治27年10月 損辱9 内田魯庵 国民之友 5
明治28年1月 損辱10 内田魯庵 国民之友 5
明治28年3月 損辱11 内田魯庵 国民之友 5
明治28年6月 損辱12 内田魯庵 国民之友 9
明治33年11月 鰐魚 長田秋濤 中学世界 27
明治35年3月 胸算用 瀬沼恪三郎訳・尾崎紅葉補綴 文芸界 17
明治36年5月 夢現境1 橋本青雨 帝国文学 11
明治36年7月 夢現境2 橋本青雨 帝国文学 12
明治36年9月 夢現境3 橋本青雨 帝国文学 12
明治36年11月 夢現境4 橋本青雨 帝国文学 10
明治37年4月 貧しき少女 瀬沼夏葉 文芸倶楽部 35
明治37年12月 耶蘇降誕祭 氏家摩琴 心の花 5
明治39年1月 女主人1 山田枯柳 裏錦 8
明治39年2月 女主人2 山田枯柳 裏錦 9
明治39年3月 女主人3 山田枯柳 裏錦 13
明治39年4月 女主人4 山田枯柳 裏錦 8
明治39年5月 女主人5 山田枯柳 裏錦 12
明治39年6月 女主人6 山田枯柳 裏錦 9
明治39年7月 女主人7 山田枯柳 裏錦 6
明治39年9月 女主人8 山田枯柳 裏錦 4
明治39年7月 移転1 上村清延 帝国文学 22
明治39年8月 移転2 上村清延 帝国文学 19
明治39年10月 移転3 上村清延 帝国文学 24
明治39年12月 移転4 上村清延 帝国文学 17
明治39年8月 良夜 膽駒古峡 芸苑 4
明治40年10月 花嫁 茅野蕭々 明星 7
明治41年10月 小児の心 馬場孤蝶 明星 6
明治41年11月 博徒 馬場孤蝶 明星 10
明治41年12月 クリスマスの夜 斉藤野の人 開拓者 4
明治42年9月 不安 衛藤東田 新潮 8
明治43年12月 囚徒 阿部幹三 学生文芸 8
明治44年1月 クリスマス 山本迷羊 帝国文学 7
明治45年5月 鰐1 森鴎外 新日本 16
明治45年6月 鰐2 森鴎外 新日本 19
大正2年2月 正直な泥棒 神田泡二 聖杯 24
大正2年5月 カラマゾフ兄弟 播磨楢吉 早稲田文学 9
大正2年8月 最初の印象 片上伸 劇と詩 16
大正2年8月 猶太人 若月松之助 開拓者 4
大正2年11月 翻訳(カラマーゾフ兄弟) 川合胡冬・佐藤蓼雲 文芸雑誌 5
大正2年12月 白夜 石井直三郎 仮面 37
大正3年4月 永久の良夫1 中村古峡 反響 6
大正3年6月 永久の良夫2 中村古峡 反響 5
大正3年6月 『アンナ・カレニナ』に就いて 柴田勝衛 早稲田文学 14
大正3年7月 僧と悪魔 和気律次郎 近代思想 2
大正4年3月 トルストイの小説『アンナ、カリェニナ』に就いて 小宮豊隆 三田文学 53
大正4年4月 決闘 森田草平 新公論 9
大正4年5月 白夜 田島芳樹 新潮 26
大正4年7月 罪と罰{〔戯曲〕(アーヴィング脚色) 坪内士行 早稲田文学 80
大正4年9月 死刑宣告まで〔ダスタエフスキイの書翰〕 和気律次郎 文章世界 5
大正4年12月 牢獄より 和気律次郎 新小説 12
大正5年1月 ドストイエフスキーの言葉 阿部次郎 新潮 5
大正5年6月 百色眼鏡(マイコフへの書簡) 仲田勝之助 生活と芸術 3
大正5年7月 流刑通信−一八五四、二月二十二日・オムスクにて 山村暮鳥 新潮 12
大正5年7月 流刑地より 山村暮鳥 第三帝国 2
大正5年11月 流刑通信 山村暮鳥 トルストイ研究 4
大正6年1月 弱き心1 新城和一 白樺 25
大正6年2月 弱き心2 新城和一 白樺 15
大正6年4月 弱き心3 新城和一 白樺 20
大正6年5月 弱き心4 新城和一 白樺 17
大正6年1月 或る母へ―ドストイエフスキイの手紙 香川鉄蔵 第三帝国 2
大正6年9月 プーシキン論 吹田順助 思潮 45
大正6年11月 プーシキン論補説 吹田順助 思潮 26
大正7年1月 変人の夢 田辺信太郎 白樺 35
大正7年1月 トトレベン将軍に送れる哀訴の書 山村暮鳥 トルストイ研究 4
大正7年2月 作家アポロン・ニコラエウヰッチ・マイコフに送れる手紙 山村暮鳥 トルストイ研究 4
大正7年3月 ポルズンコフ 山内封介 トルストイ研究 15
大正7年3月 くりすます 生田春月 トルストイ研究 4
大正7年3月 兄ミカエルに送れる手紙 山村暮鳥 トルストイ研究 3
大正7年9月 手紙二つ 山村暮鳥 トルストイ研究 3
大正7年9月 正直な盗人 三田雅各 トルストイ研究 18
大正8年5月 N. L. Osmidow氏に与へたドストイエフスキイの手紙 河田汎徳 新しき村 4
大正8年5月 主婦1 八幡関太郎 白樺 18
大正8年6月 主婦2 八幡関太郎 白樺 20
大正8年7月 主婦3 八幡関太郎 白樺 21
大正8年10月 主婦4 八幡関太郎 白樺 29
大正8年12月 主婦5 八幡関太郎 白樺 19
大正9年1月 主婦6 八幡関太郎 白樺 21
大正9年2月 罪と罰 加納幽閑子 婦人世界 13
大正9年5月 優しき乙女1 八幡関太郎 白樺 38
大正9年6月 優しき乙女2 八幡関太郎 白樺 28
大正10年1月 基督の客 島野三郎 新人 7
大正10年1月 百姓マレイ 米川正夫 中央文学 7
大正10年1月 虐げられし人人1 中村白葉 婦人世界 3
大正10年2月 虐げられし人人2 中村白葉 婦人世界 5
大正10年3月 虐げられし人人3 中村白葉 婦人世界 6
大正10年4月 虐げられし人人4 中村白葉 婦人世界 6
大正10年5月 虐げられし人人5 中村白葉 婦人世界 6
大正10年6月 虐げられし人人6 中村白葉 婦人世界 6
大正10年7月 虐げられし人人7 中村白葉 婦人世界 6
大正10年8月 虐げられし人人8 中村白葉 婦人世界 6
大正10年9月 虐げられし人人9 中村白葉 婦人世界 6
大正10年10月 虐げられし人人10 中村白葉 婦人世界 6
大正10年11月 虐げられし人人11 中村白葉 婦人世界 6
大正10年12月 虐げられし人人12 中村白葉 婦人世界 7
大正11年12月 天国のクリスマス、ツリー 萩原善彦 新人 6
大正14年3月 スタヴローギンの告白1 木村荘太 不二 17
大正14年5月 スタヴローギンの告白2 木村荘太 不二 24
大正14年6月 スタヴローギンの告白3 木村荘太 不二 13
昭和4年2月 悪魔 幸徳秋水 文芸戦線 5


明治期の作品については
『明治翻訳文学全集』《新聞雑誌編》 第45巻ドストエフスキー集に収録されています。



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