第1期
第2巻 トルストイ集

2004年2月刊行

教訓くさいトルストイの作品の背後に、潜んでいたものがある。
それはドストエフスキーとは反対の方向から求めた新しい秩序の創造であった。
トルストイはそれを聖書の読み替えとして行なったが、
明治末から大正期の日本人はその翻訳行為を通して、明治期日本の社会的な読み替えを始めた。
大正末から次々と刊行された『トルストイ全集』は、そうしたトルストイ理解の幕引きであった。
現代日本人が求めるべきは、社会を読み替えることを可能とする文学受容のあり方である。
明治36年〜大正13年の雑誌掲載の翻訳を収録する本資料集は新たな研究を促す。

【収録作品】

タイトル 訳者 掲載誌 頁数
明治35年11月 あはれ太郎作 黒木耕一 聖書之研究 5
明治36年1月 愛ある所に神在せり 黒木耕一 聖書之研究 13
明治36年2月 トルストイ伯童話/罪の児1 武田桜桃 女学世界 12
明治36年3月 トルストイ伯童話/罪の児2 武田桜桃 女学世界 13
明治36年2月 幸福 中島孤島 新小説 6
明治36年4月 貧民窟 片上天弦 新声 6
明治36年9月 トルストイのモーバッサン論1 中島孤島 新小説 17
明治36年10月 トルストイのモーバッサン論2 中島孤島 新小説 8
明治36年11月 殻粒 斎木仙酔 新声 2
明治36年11月 燈光 藤波一如・河井酔茗 文芸界 12
明治36年12月 良判事 中島孤島 新小説 41
明治37年1月 捕虜士官1 岡田況後 軍事界 13
明治37年2月 捕虜士官2 岡田況後 軍事界 10
明治37年3月 捕虜士官3 岡田況後 軍事界 14
明治37年5月 トルストイ翁の手簡 横井時雄 時代思潮 4
明治37年5月 捕虜の逃走 高階柳蔭 文芸倶楽部 43
明治37年7月 人生の三大疑問 古沢北冥 太陽 8
明治37年8月 お伽噺/馬鹿 痴雲子 婦人界 20
明治37年10月 露兵(裁伐隊の一節) 石川残月 裏錦 2
明治38年2月 行者1 大島蘭秀 天鼓 5
明治38年3月 行者2 大島蘭秀 天鼓 7
明治38年3月 ポロジノの役1 徳田秋江 太陽 8
明治38年4月 ポロジノの役2 徳田秋江 太陽 5
明治38年3月 悪魔の捕虜〔戯曲〕1 水口南陽 中央週報(26日) 2
明治38年4月 悪魔の捕虜〔戯曲〕2 水口南陽 中央週報(2日) 2
明治38年4月 悪魔の捕虜〔戯曲〕3 水口南陽 中央週報(9日) 2
明治38年4月 悪魔の捕虜〔戯曲〕4 水口南陽 中央週報(16日) 2
明治38年4月 悪魔の捕虜〔戯曲〕5 水口南陽 中央週報(23日) 2
明治38年4月 悪魔の捕虜〔戯曲〕6 水口南陽 中央週報(30日) 1
明治38年4月 爾の隣1 百島冷泉 福音新報(13日) 3
明治38年4月 爾の隣2 百島冷泉 福音新報(20日) 3
明治38年6月 島の翁 萍雨生 文庫 5
明治38年7月 降神術〔戯曲〕1 水口南陽 中央週報(16日) 2
明治38年7月 降神術〔戯曲〕2 水口南陽 中央週報(23日) 2
明治38年8月 降神術〔戯曲〕3 水口南陽 中央週報(6日) 2
明治38年8月 降神術〔戯曲〕4 水口南陽 中央週報(20日) 2
明治38年8月 降神術〔戯曲〕5 水口南陽 中央週報(27日) 2
明治38年9月 降神術〔戯曲〕6 水口南陽 中央週報(3日) 2
明治38年9月 降神術〔戯曲〕7 水口南陽 中央週報(10日) 2
明治38年9月 降神術〔戯曲〕8 水口南陽 中央週報(17日) 2
明治38年9月 降神術〔戯曲〕9 水口南陽 中央週報(24日) 2
明治38年10月 降神術〔戯曲〕10 水口南陽 中央週報(1日) 2
明治36年8月 重荷 大島蘭秀 天鼓 3
明治38年9月 トルストイ伯の社会主義観〔書簡〕 訳者不記 新希望 2
明治38年9月 新羽衣1 鰌鯰生 火鞭 3
明治38年11月 新羽衣2 鰌鯰生 火鞭 1
明治39年1月 レビンの迷悟1 林白羽 白百合 3
明治39年2月 レビンの迷悟2 林白羽 白百合 4
明治39年3月 麺包一片 滝田樗蔭 中央公論 7
明治39年3月 楽人のおとろへ 平野万里 明星 29
明治39年4月 何故に禍は存する乎 牛山逸民 火鞭 2
明治39年4月 鉄道人夫(現時の奴隷より) 山口孤剣 火鞭 2
明治39年4月 トルストイの聖書句解 目白の里人 火鞭 2
明治39年4月 別れ霜1 安成貞雄 火鞭 7
明治39年5月 別れ霜2 安成貞雄 火鞭 5
明治39年5月 エリアス爺様 江湖生 東亜の光 12
明治39年7月 屠牛を見る 堺枯川 家庭雑誌 6
明治39年8月 神の照覧 筑山正夫 新人 7
明治39年9月 嗚呼支那人 設楽白虹 新潮 4
明治39年11月 二人巡礼1 筑山正夫 新人 9
明治39年12月 二人巡礼2 筑山正夫 新人 9
明治40年2月 悪夢 中島孤島 家庭文芸 9
明治40年2月 高架索の囚人 中島孤島 新小説 38
明治40年2月 愛は神也 筑山正夫 新人 9
明治40年3月 雪嵐 江湖生 東亜の光 10
明治41年9月 門付 逸見士峰 文芸倶楽部 36
明治42年1月 流刑者 斎藤野の人 太陽 8
明治42年10月 人間生活 神崎沈鐘 新声 12
明治43年8月 悔ひたる罪人 小沢愛圀 雄弁 4
明治43年12月 杜翁近什数篇 昇曙夢 早稲田文学 7
明治43年12月 杜翁書簡二則 昇曙夢 早稲田文学 3
明治44年2月 杜翁小品1 田波御白 東亜の光 3
明治44年3月 杜翁小品2 田波御白 東亜の光 4
明治44年7月 トルストイの書翰 山本迷羊 帝国文学 3
明治44年8月 うたかたの記 雨声庵主人 新人 8
明治45年3月 アリヨーシヤ 森脇白夜 新人 7
大正1年8月 童魔と麺麭と 小沢愛圀 慶応義塾学報 4
大正1年8月 人間と樹木との死 S・K 早稲田講演 25
大正1年8月 愛ある所神在せり 森脇毅 新人 17
大正1年9月 閑人の話 長沢武男 北方文学 9
大正1年9月 やどなし 訳者不記 雄弁 9
大正1年10月 最後の勝利 清水久男 新人 12
大正1年11月 トルストイの私信 森田松栄子 新女界 2
大正1年11月 人はどれだけ土地を要するか 加能作次郎 早稲田講演 27
大正2年2月 二人の兄弟と金貨 左久二郎 早稲田講演 4
大正2年1月 闇の力〔戯曲〕1 吉村繁俊 早稲田文学 42
大正2年2月 闇の力〔戯曲〕2 吉村繁俊 早稲田文学 21
大正2年3月 闇の力〔戯曲〕3 吉村繁俊 早稲田文学 22
大正2年2月 トルストイの「教父セルギウス」1 観潮生 開拓社 4
大正2年3月 トルストイの「教父セルギウス」2 観潮生 開拓社 7
大正2年3月 旅人と百姓 磯部外紫子 六合雑誌 11
大正2年8月 トルストイの日記1 播磨猶吉 新潮 18
大正2年11月 トルストイの日記2 播磨猶吉 新潮 5
大正2年12月 トルストイの日記3 播磨猶吉 新潮 7
大正3年2月 トルストイの日記4 播磨猶吉 新潮 4
大正2年9月 出家(パアテル・セルギウス) 森鴎外 文芸倶楽部 72
大正2年10月 アツシリア王イサルハツドン 森脇白夜 新人 9
大正2年12月 小ソクラテース 磯部外紫子 新人 10
大正2年12月 アルベルト 萬造寺齊 スバル 55
大正3年2月 小鬼と握飯 森脇白夜 新人 5
大正3年3月 復活〔戯曲〕 島村抱月 早稲田文学 41
大正3年6月 もとのおこりは〔戯曲〕 前田天飆 帝国文学 16
大正3年10月 緑の杖1 仲田勝之助 生活と芸術 6
大正3年11月 緑の杖2 仲田勝之助 生活と芸術 3
大正3年12月 緑の杖3 仲田勝之助 生活と芸術 4
大正4年5月 三隠者 工藤杜之助 開拓者 7
大正5年1月 少女 鈴木悦 洪水以後 3
大正5年5月 杜翁の沙翁論 藤東田 帝国文学 85
大正5年5月 地下室の窓から1 松本雲舟 婦人週報(5日) 2
大正5年5月 地下室の窓から2 松本雲舟 婦人週報(12日) 2
大正5年5月 地下室の窓から3 松本雲舟 婦人週報(19日) 2
大正5年5月 地下室の窓から4 松本雲舟 婦人週報(26日) 2
大正5年6月 地下室の窓から5 松本雲舟 婦人週報(2日) 2
大正5年6月 地下室の窓から6 松本雲舟 婦人週報(9日) 1
大正5年7月 勤労と怠惰―トルストイの労働論 内山賢爾 科学と文芸 15
大正5年9月 「トルストイ談話録」より 原島八束 トルストイ研究 3
大正5年9月 人は何によつて生くる乎1 訳者不記 トルストイ研究 6
大正5年10月 人は何によつて生くる乎2 訳者不記 トルストイ研究 6
大正5年11月 人は何によつて生くる乎3 訳者不記 トルストイ研究 5
大正5年12月 人は何によつて生くる乎4 訳者不記 トルストイ研究 4
大正5年9月 『闇の力』梗概 IK生 トルストイ研究 7
大正5年10月 『アンナ・カレニナ』梗概1 ABC トルストイ研究 6
大正5年11月 『アンナ・カレニナ』梗概2 ABC トルストイ研究 4
大正5年11月 トルストイ絶筆二篇 播磨楢吉 トルストイ研究 3
大正5年11月 鈴木福治 トルストイ研究 1
大正5年11月 トルストイ一日一訓 訳者不記 トルストイ研究 20
大正5年12月 三人の隠者 鑓田芳花 トルストイ研究 6
大正5年12月 イリヤース 鈴木福治 トルストイ研究 3
大正5年12月 旅人との物語 田中日出夫 水甕 4
大正6年1月 旅人との対話 永井白虹 トルストイ研究 2
大正6年1月 田園の唄 関口萍 トルストイ研究 4
大正6年1月 トルストイの日記 昇曙夢 トルストイ研究 15
大正6年1月 愛は何を強要するか? 高橋孤龍 近代思潮 7
大正6年1月 悔改めたる罪人の話 加藤蓼村 第三帝国 1
大正6年2月 小供の智慧 久保正夫 トルストイ研究 2
大正6年2月 トルストイ書翰集より 鈴木禎二 トルストイ研究 7
大正6年2月 子供達の為に 昇曙夢 トルストイ研究 5
大正6年2月 浮浪人 鑓田芳花 トルストイ研究 6
大正6年3月 悔い改めた罪人 鈴木福治 トルストイ研究 2
大正6年3月 唯理性に依つてのみ 荒津浦人 トルストイ研究 4
大正6年3月 神は真理を観たまふ、されど待ちたまふ 武田義彦 トルストイ研究 6
大正6年4月 子供達の為に(トルストイ御伽噺) 昇曙夢 トルストイ研究 4
大正6年4月 空太鼓 鑓田芳花 トルストイ研究 6
大正6年5月 宗教と道徳1 阿部勝也 思潮 10
大正6年6月 宗教と道徳2 阿部勝也 思潮 18
大正6年7月 宗教と道徳3 阿部勝也 思潮 22
大正6年5月 蛇の頭と尾(子供達の為に書ける杜翁の小話) 加藤一夫 トルストイ研究 6
大正6年5月 偶然 昇曙夢 トルストイ研究 4
大正6年5月 クレザスとソロン 松島穣 トルストイ研究 2
大正6年6月 アツシリヤ王アツサルハードン 鈴木福治 トルストイ研究 4
大正6年6月 道徳的争闘を記録せるトルストイの青年期の日記 柴田勝衛 トルストイ研究 5
大正6年6月 あまり高い! 加藤武雄 トルストイ研究 4
大正6年6月 舞踏会の後 金田常三郎 トルストイ研究 7
大正6年7月 教父 中目昇★日義★ トルストイ研究 11
大正6年7月 子供達の為めに 安成二郎 トルストイ研究 4
大正6年8月 笞のニコライ 野上豊一郎 トルストイ研究 8
大正6年8月 子供等の為に(トルストイ小話) 鑓田芳花 トルストイ研究 4
大正6年8月 狂人の追憶 内山賢爾 トルストイ研究 9
大正6年9月 子供達の為に 訳者不記 トルストイ研究 3
大正6年9月 スラアトの珈琲店 代永征二郎 トルストイ研究 5
大正6年9月 三つの死 木下光生 トルストイ研究 11
大正6年9月 雪嵐1 加藤蓼村・熊谷勝太郎 第三帝国 5
大正6年10月 雪嵐2 加藤蓼村・熊谷勝太郎 第三帝国 5
大正7年2月 雪嵐3 加藤蓼村・熊谷勝太郎 第三帝国 5
大正6年10月 壺のアリョーシャ 三ヶ島純 トルストイ研究 5
大正6年10月 最後の醸造社〔戯曲〕 伊藤松雄 トルストイ研究 12
大正6年10月 神と人1 涌島義博 白樺 35
大正6年11月 神と人2 涌島義博 白樺 25
大正6年11月 皇帝ニコラス 宮島新三郎 トルストイ研究 5
大正6年11月 如何に福音書を読むべきか 山口左武郎 トルストイ研究 2
大正6年12月 理性と宗教 阿部勝也 思潮 10
大正6年12月 エルマーク 昇曙夢 トルストイ研究 7
大正6年12月 吾が夢 三ヶ島純 トルストイ研究 10
大正6年12月 主人と下男 浅野良吉 トルストイ研究 9
大正6年12月 凡ての過ちの因〔戯曲〕 永井みほみ トルストイ研究 10
大正6年12月 コルネイ・ワシーリヱフ 山内封介 トルストイ研究 8
大正6年12月 子供達の為めに 加藤一夫 トルストイ研究 4
大正7年1月 仕事と死と病気 荒井克成 トルストイ研究 2
大正7年1月 悪魔1 田面欽次 トルストイ研究 10
大正7年2月 悪魔2 田面欽次 トルストイ研究 9
大正7年4月 悪魔3 田面欽次 トルストイ研究 20
大正7年2月 肉体的労働と精神的労働 渡平民 トルストイ研究 4
大正7年5月 ホーディンカ 井上芳子 トルストイ研究 8
大正7年6月 子供達への話 外川清一 トルストイ研究 3
大正7年6月 ニコラス二世の夢 岡上三咲 新人 15
大正7年7月 教父フョオドル・クジミッチの遺書 茅野昌栖 トルストイ研究 18
大正7年7月 理性と愛 市橋善之助 新しき村 1
大正7年8月 小供の智慧 涌島義博 トルストイ研究 11
大正7年8月 トルストイの童話から 渡平民 トルストイ研究 2
大正7年8月 改革の三手段 木村荘太 新しき村 1
大正7年10月 相愛せよ 永島直昭 トルストイ研究 8
大正7年11月 近代の科学 永島直昭 トルストイ研究 8
大正7年12月 トルストイの日記より(1896年) 涌島義博 トルストイ研究 8
大正7年11月 「無為」から 市橋善之助 新しき村 4
大正7年12月 分業 木村荘五 新しき村 4
大正8年1月 正直者 小野小峡 開拓者 5
大正8年3月 イリヤ 内山賢次 労働文学 6
大正8年6月 労働と死と病気 山野虎市 労働文学 4
大正9年10月 宗教断想 影山生 六合雑誌 7
大正10年4月 神に関する思想 木村荘五 生長する星の群 16
大正11年9月 杜翁の日記(1903年)1 外村完二 生長する星の群 39
大正11年11月 杜翁の日記(1903年)2 外村完二 生長する星の群 31
大正12年9月 老子の教への本質について 小西増太郎 生長する星の群 14
大正13年8月 国家社会主義及び基督教社会主義を論ず 柳井隆雄 人間生活 10

明治期の作品については
『明治翻訳文学全集』《新聞雑誌編》 第38巻トルストイ集T 第39巻トスルトイ集Uに収録されています。 



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