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上海叢書 [全12巻]


■監修・解説 山下武/高崎隆治
■A5判/上製本/布クロス装
■全12巻セット
■定価(本体120,000円+税)
■ISBN4-283-00197-X
[2002年発行]


世界の注目を集め、租界が栄えた中国大陸の都──上海で何が起きたか?
日本も深く関わった国際都市の真実を伝える激動の記録

収録書の内容
第1巻 上海史話
(附・上海史文献解題)
米澤秀夫 著
畝傍書房 発行
昭和17年7月 刊
上海在住十余年の著者が仕事の暇を惜しんで、東洋経済の中心地・上海の歴史を現地の史籍・文献・古老の話等を調査、研究してまとめた労作。上海開港前史を踏まえ、幕末の上海貿易に始まる上海邦人の発展史―上海派遣船千歳丸、上海における高杉晋作、幕末の上海渡航者…等を中心に論述している。また貴重な古写真や絵図が多数挿入され、巻末の洋書を含む「上海史文献解題」も充実している。
第2巻 上海年鑑
(一九二六年版)
上海日報社 編
上海日報社出版部
発行
大正15年11月 刊
上海で二十年余の社歴を有した上海日報社が刊行した本格的な年鑑。当時、邦人居留民は二万人を数え邦文による年鑑発行は時宜をえた画期的事業だった。内容も充実しており、市政、商工業、列国勢力のほか、遊覧や歓楽にいたるまで周到な調査による記録であり便利なガイドブックでもある。後半の二〇〇頁に及ぶ邦人関係の緻密な分類一覧は居留団の繁栄ぶりの一面をうかがわせる資料だ。
第3巻 支那研究第十八號
上海研究號
小竹文夫
坂本義孝ほか 共著
東亜同文書院
支那研究部 発行
昭和3年12月 刊
明治三三年、南京に創設され日中両国学生の教育と交流に古い歴史をもつ東亜同文書院が支那研究部の創立十周年を記念して刊行した、上海研究の労作。「徹底有組織的研究」をうたい、二〇に及ぶテーマについて中国人を含む一五人の研究者が執筆、いずれも専門知識に裏付けられた本格的研究成果である。なかでも「上海における言論及び出版物」「上海の将来」など、注目すべき論文が多い。
第4巻 昭和七年
上海事変誌
上海居留民團 編
上海居留民團 発行
昭和8年5月 刊
上海事変は現地在留邦人にとって未曾有の大事件であり試練であった。そのとき日本軍・在留邦人はどう対処したか。本書はその間の活動、経緯・状況を詳細に記録した大冊である。緒論・事変前誌に始まり事変本誌では軍部、官庁、在留民、外部に分けてそれぞれの情況が記される。とりわけ在留民の活動は二〇節、四〇〇頁超にわたって詳述され、事変の全貌を伝える貴重な資料となっている。
第5巻 上海通信 木村 毅 著
改造社 発行
昭和12年11月 刊
著者は大阪毎日新聞・東京毎日新聞の従軍記者として活躍したが、事変勃発を受け世上さまざまな「無稽流説」が飛び交うのを見て幾分なりとも戦火の雰囲気、さらには全世界が注目する上海の現状と将来について真実を伝えようと、急きょ記事・持論をまとめた。上海戦況報告(講演)を含め新聞はもとより種々の通俗雑誌から少年少女雑誌にいたるまで広く発表した文章が収められている。
第6巻 松井翠聲の
上海案内
松井翠聲 著
横山 隆 発行
昭和13年1月 刊
戦前から活躍した漫談家・松井翠聲の上海ガイドブック。上海通として知られ、露地の奥まで入り込んで素顔の上海を自由に描き、怪しげな見せ物やゲテモノ料理なども紹介している。また、ハリウッド仕込みの語学に堪能で、上海事変の勃発を見て特派員を志願して現地に乗り込み、さながら実況放送のように生々しい戦時下の状況を伝えた。国際都市の多彩な顔を伝える特異な記録である。
第7巻 上海の歴史
〈上海租界発達史〉
H・ポット 著
帆足計・濱谷満雄 訳
白揚社 発行
昭和15年12月 刊
上海生活四〇年に及ぶ英国人の著者による本格的な歴史書。中国史の著書も多く中国通として知られた。上海の歴史を滬と呼ばれた古い時代から鳥瞰するが、最も力を注いでいるのがドラマチックに描かれた「協同租界の危機」。五・三〇事件、工部局の詳細な記述から上海の将来が予見される。訳者による巻末の「原書刊行後の中国主要事項年表」「上海史の現状概要」は読者の理解を助ける。
第8巻 大帮の都 上海
A・O・ハウザー 著
佐藤弘 訳
高山書院 発行
昭和15年12月 刊
洋風の商館や邸宅が立ち並び、電車、自動車が走る繁栄都市・上海。そこには十三の国旗がひるがえり、さまざまな人々が住み、中国第一の国際航路寄港地として栄えた。だが、中国の一都市でありながら実質の主人は外国人だった。蘆溝橋事件の勃発を経てそれも落日へ向かう。著者は客観的記述に終始しており上海における白人の功罪を冷静に見つめ、その将来を的確に見通してみせた。
第9巻 上 海
谷川徹三・三木清
他 共著
三省堂 発行
昭和16年10月 刊
石濱知行「上海雑筆」、豊島與志雄「上海の澁面」、加藤武雄「上海その他」、谷川徹 三「中國知識人の動向」、室伏高信「上海の印象」、三木清「支那を視て来て」の六編を収める。「暫く、たとひ二三週間の短い間でも、上海に滞在する者には、上海の臭ひとも云ふべきものが身につく。この臭ひは………極めて濃厚なものであつて、而も上海獨得なものである。」(豊島)など、それぞれの個性豊かな「上海記」である。
第10巻 上海人文記
―映画プロデュサー
      の手帖から―
松崎啓次 著
高山書院 発行
昭和16年10月 刊
医学を修めたが転じて映画人となり「上海」「南京」「北京」等の大作を手がけた著者の上海滞在記。南京陥落の直後から約四年間上海で暮し映画会社設立の仕事をしながら日常の見聞を丹念にノートに記した。それはいずれ再開する映画制作に役立てる意図がこめられ、そこに住む人たちの感情や表情の観察に終始した。メモの断片は映画的素材に整理され本書となり、映画「上海の月」の原作が書かれた。
第11巻 思い出の上海 村松梢風 著
自由書房 発行
昭和22年2月 刊
上海を舞台に長編小説「魔都」を書いた作家の眼が見た上海ルポルタージュ。国際都市の奥深い魅力を臨場感をもって描いている。美男の青年と親しくなり人気俳優の日本招聘をめぐり結局、裏切られながらも許す話や、租界や盛り場、秘密の家を遊弋する姿などが活写される。魔都の裏面に蠢くさまざまな人間像、哀感を通して不思議な魅力をもつ上海の一面が浮き彫りにされる。
第12巻 十二月八日の上海 西川 光 著
泰光堂 発行
昭和18年3月 刊
文芸春秋社特派員・従軍記者として満洲、北支、中支を歩いた著者は大東亜戦争勃発の一九四一年一二月八日を上海で迎えた。この歴史的瞬間に米英の東亜への拠点というべき上海で、軍報道部の一員として租界進駐に参加を許され、生々しい戦況を目の当たりにした。本書後半は、その迫力一杯のルポルタージュである。前半にはよく歩きよく見た満洲~中支の戦地報告が収められている。