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| 伝記叢書 【近現代日本の“人間歴史地図”を目指して 】 近代以後の社会に巣食う病のひとつは、“個人”の異様なほどの突出だと言われています。今日、地球規模での情報の供給化が急速かつ容易になり、人と人のつながりが、過去のどの時代より格段に広がったと考えるのは、一種の錯誤でしょう。個と個の衝突が直接的で激しくなり、それに反発するように、益々人間同士が孤立化しているというのが、現実ではないでしょうか。 人間としての本来の生き方が根本から問い直されています。社会組織の再構築の必要が叫ばれています。しかし、いまの私たちは、個人の幸福を求め、“自分”を探すことのみに汲々とし過ぎるあまり、生身の人間に触れることを忌避し、恐れているのではないでしょうか。 いま必要なのは、これからの時代と社会を築くために、真に鑑とすべき人間像を具体的につかみ取ることです。それには各個人が、もっともっと多種多様で多彩な他者≠ェいることを知り、個人の視野の狭さを打ち破ることが求められています。 伝記は自己と他者の探究に汲めども尽きぬ好材料を提供してくれます。1988年(昭和63)から2000年(平成12)まで合計350巻を刊行した本叢書の発刊意図は、まさに生身の人間を知り、様々な問題に立ち向かう材料となることにありました。ここに、時と場所を超えて、真に必要とされる人間に遡及できるような、近現代日本の“人間歴史地図”が描ける大叢書を目指し、増刊継続を決しました。読者のさらなるご支援を心より願っています。 2010年11月 |
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